生きることの人間論:ナカニシヤ出版 厚さ:8mm 材質:紙 |
数日前、いつもお世話になっているMさんから素敵な本を頂きました。
御本人も第2章をお書きになられている、との事。
器好きに限らず、工芸品に全く興味が無い方、何も考えたくない見てくれだけのオシャレな工芸品を愛好する人、貧困のどん底でどうやっても認められない不安定な精神状態の造り手の人、あらゆる趣向にかかわらず日本語を理解する全ての人々が必ず読むべき書籍、、、、かもしれません。
その内容とは、工芸的な道具類の本質的な意味が記されており、手工芸品のモノが持っている根本的存在根拠、と、自己との関わり、、、、、が書かれている様な気がします。
読み進めるうちに脳裏をよぎったのは「写真(記録)とは自己と、世界(世の中)との一つのかかわり方にすぎない」という言葉(確か、中平卓馬かベンヤミンだったと思うのですが、忘れてしまいました)
人間であるという事は何かしらの道具を使って毎日を生きているという事で、道具でもって世の中を、見たり、聞いたり、触ったり、作ったりしている、、、、という考え方。それは、考え様によっては人間中心の世界の擬人化というような方向に向かいがちなのですが、この本は、そうではなく中性的な視点で工芸品というものを理論的とらえてゆくのです。
、、、、、という事で、工芸品なんて大嫌いだ、そんなもの未来に不必要だ、お金が大好きだ、といった方々へおすすめの一冊です。