2016年11月21日月曜日

バイロジックな器

相田啓介作、薄挽茶托。


僕は福島県の会津若松に住んでいます。以前は漆器を作って売る仕事をしていました。
けれどオリンピックを数年後に控えた年に不景気に負けてしまって、今は約150キロ離れた場所へ毎日車で通っています。

今の仕事は肉体的な苦痛を代償に、お給料もそこそこ良くて前のように金銭的な苦しみはありません。職場からの帰りの道路を照らすぼうっと光る蛍光灯を見ながらいつも思い出す事は、以前の仕事での上塗りの事や木地を作る為の刃物を研ぐといった辛いながらも充実した毎日の思い出です。車の外の夕暮を不気味に映す海はどこか滑稽で悲しげで、そういう思い出と二重に重なって脳裏になにかを訴えてきます。

今は手仕事に未練はありますが生きるという事はそういった悔しさみたいなものを受け入れてゆかなければならないのかもしれません、、、、、、、、、
と、これが今回の展示会が上手くいかなかった場合の結果、、、、、です。憐憫のあまり慟哭しながら今こうしてブログを書いているのですが、こういった近未来の予想は、自愛の強い人の場合ほんの少しの軽い妄想ですら精神的に悪影響を及ぼします。涙を拭いながら、こういった未来だけはどうにかして避けたい、、、、、、という思いで今日も作品の紹介です。

塗り分けにしたので、ちょっとしたお皿としても使えそう。

また、盃台に、、、、と本人は思っているよう。

晩酌時に、、、、、。

裏。

こんな感じで塗っています。


11月29日から12月5日まで、展示会どうぞよろしくお願いいたします。