2015年4月5日日曜日

大産地通信その1

昨日は月蝕。けれど撮影に失敗。
昨日夜考えていた事なのですが、というか、前から漆の事をいろいろと説明する前に、産地について書いておかねば、と思っておりました。
なので今回から数回に分けて産地について考えてゆこうと思っております。
仕事場にて考え中。
私たちの身の周りに在る全ての物には、かつても今も作られた場所、つまり産地があります。
数百年前の大昔から人類は、どこそこの物はここより良いとか、いまいちだ、とか安くて便利だ、、、とかそんな価値付けを繰り返しているような気がします。
基本的にはかつての産地の物とはその土地の名産品、名物のことでその土地の立地や気候に即した素材と工法で作られた物でした。
例えば陶磁器だと、その土地その土地で採れる陶土でしか作ることのできない物で、土が違えば色や形は勿論、作られるものの種類まで限定される様な場合もあります。土のある所に人が集まり産地になるという様なことを聞いたことがあります。
けれど漆器産地の場合、陶磁器の産地とは少し違った成立ちのようです。というのも、木地の材料となる材木は日本中どこにでも生えており、塗料となる漆の木にしても植林さえすれば日本中どこででも育つのです。ですから自ずと日本国内の漆器産地はおしなべて似たり寄ったりの材料を使って器を作ってゆくことになります。                

仕事の様子