2020年11月15日日曜日

No DM  No life 『漆たちの沈黙』


唐突なのですが、、、明後日11月17日~23日まで書肆逆光さんで、テーブル一枚分のちょっとした展示会をさせていただくことになりました。

で、今回のコンセプトとしては、DM等の経費をかけずに、少数精鋭のアイテムで勝負する、、、、コロナ禍モードのそれっぽい展示会を、、、といったところです。

しかしながら、作品はブログやその他のSNSの更新をサボりまくっただけあって上々か、、、と自分では思っています(材料的にも)。


逆光さんの棚。

 
今回の展示会アイテムはどちらかというと普段使いの器というより、捨象された器という観念で制作したものが多く、それ故に『漆たちの沈黙』というタイトルの催事にしました。

普段使いの器は捨象された器たちの存在があってはじめて成立するのだ、、、という感じです。

なので、ちょっと使いにくい印象のアイテムが多いのですが、なるべく偏りのないようにバランスよく作品を紹介できたら、、と思っています。

実店舗にも2~3日在郎出来れば、、、と思っています。

『漆たちの沈黙』

~卓上展示会~

11月17日(火)~23日(月祝)12~19時

19日(木)は17時まで

20日(金)は店舗休業

場所 書肆逆光

〒104-0032

東京都中央区八丁堀2-3-3 2F

です。よろしくお願いいたします。






↑今回制作した茶器。黒の漆の具合が良かったので、桐箱に塗ってみた。
蓋は播磨国分寺の古材。。。敢て素材感を生かすため何も塗ってない。








          ↑今回割とよくできた茶杓と、その飾り台。。。







という感じでどうぞよろしくお願いいたします。
 

2020年8月26日水曜日

9月1日~7日の展示会。

 今日は来週の日本橋高島屋での展示会のお知らせブログです。

すっかり怠け癖がついてしまい、ブログの更新は前回の展示会以降全くしていなかったのですが、時期的にも展示会まで一週間切った訳だし、もうかなり追い詰まっているので何を書いていいか分からないとか言ってる場合じゃないので、とりあえず、もうとりあえず、画像を垂れ流し、アイテムの事について説明します。


↓の熊は以前制作したオーウェルのオマージュの「豚」の続きなのですが、今回は北海道の「熊彫り」のオマージュというか、パロディ的な感じの彫物です。

置物と玩具と彫刻を足して割る感じです。



で、、↓の踊り子は、ロートレックの絵から影響、、、というか、半ばパクった感じなのですが、イメージを膨らませて作った器?です。
一応制作時、自分では匙として作っていたのですが、出来上がってみると、器ともオブジェとも言えない感じの物になってしまいました、、、。






そして、今回最も頑張った制作が↑のブランコの匙です。

良し悪し等の自信はあまりないのですが、この華奢な透かし彫りはなかなか難しい割には、大変そうに見えないところがポイントで、「何コレ、変なの」と一蹴されかねないのに、めちゃくちゃ時間と労力を擁する工作でした。。

まあ、、、自己満の範疇なのですが、ニヒリズム工芸(←こんな呼び名でいいのかちょっと分からないけど)を表現するには、スプーンが自分としてはちょうどいいモチーフなので、同じような感じの匙を3種類今回制作しました。。

   一番大きいやつはちょっと盛れるので、器として使える、、、かもしれないです。


飾り台も作ってみた、、、。


という感じで9月1日~7日、日本橋高島屋7階です。

どうぞよろしくお願いいたします。


2020年6月5日金曜日

展示会について。


  今回の封筒版画。
 
唐突なのですが、展示会のお知らせです。
というのも前回展示会(4月27日~5月3日)がコロナで中止になってしまい、何か打開策があるのか、、、と悩んでいたのですが、どうやら延期出来るっぽい雰囲気だったのでギャラリーさんにムリムリお願いしてみたところ、すんなりとOKが出て6月24日~7月1日に延期ということになりました。

なので、2ヶ月間ずれ込む間にいろいろ作り足せるわけで、少しずつ紹介出来れば、、、と思っています。

6月24日~7月1日まで、銀座ノーションにて。
どうぞよろしくお願いいたします。



 今回の版画は自分ではそこそこか、、、と思っています。。
前回も紹介した皿とブタ。
 
新たに作り足した酒器用の盆にのせてみた。
 






2020年4月30日木曜日

SNS通販スプーン編の前に。。。

集めている匙いろいろ。



SNS通販、4日目なのですが、通販スプーン編に移る前になぜ変な匙ばっかり作り続けているのか、、、ということを自己弁明しておこう、、、と思いました。

本音をいうと、好みのフォルムの匙を集めてゆくうちに匙集めにハマってしまった、、、という事なのですが、匙一つにしてもその歴史は長く2000年ちょっと前に古代中国の書物に「匙」もしくは「ㇶ」(共に掬い取るの意なのですが)という文字が使い記される遥か以前から匙状の道具は使われてきました。

集めているうちに気づいた事なのですが、時代が遡れば遡るほど使いにくそうな匙である、、、という事で、考古遺物の匙は大抵変な形をしています。
しかしこういった「変な匙」を毎晩桐箱から出して眺めているうちに、その鋭いシェイプや何とも言えない寸分正しい量感が古代の作り手たちの目指した目に見えない部分のフォルム、内から隆起するような形(うまく言語化でできません)に憧れるようになってしまいました。。。

だからといって、使いにくいという事とフォルムが美しいという事は話が違うじゃないか!、「民藝」のように使いやすく美しい道具だってあるじゃないか!、、、という事になりそうなのですが、実はそこが見誤る最大のポイントだと思っていて、自分の場合、制作時に次の一刳りをどうするか、、、という時に必ず美しくなる為の一刳りという動作を大事にしていて、使いやすさや淡々とした制作動作は邪念のように思えてならないのです。。
だからといって使いにくい匙が良い物だ、、、とは言いにくいのですが、そうやって古い物を見るうちに、創作意欲のベクトルが定まっていった結果が今の匙作りなのですが、、、ちょっとこういう制作態度も良し悪しなのかもしれません。

何だか、こうやって書いているうちにちょっとエゴが過ぎたような気がします。



とにかく、現状は古道具を集めているうちにモヤモヤして来てそういったモヤモヤの捌け口として制作しています。
という感じ、、、、です。

SNS通販どうぞよろしくお願いいたします。





古い匙は全部変な形をしている。

悉く利便性に乏しい形の匙。

ザァーッとかたずけて、

SNS通販に出す自作の匙を並べてみる。

並べてみる。

並べてみる。

2020年4月24日金曜日

4月27日~5月3日の展示会中止及び延期について。

今回出すはずだった展示会用アイテム。


4月27日~5月3日の展示会は昨今の状況を考えて中止、、、となりました。現時点では6月24日から1週間のスパンで、延期(場所は変わらず)という感じなのですが実際のところ現状が6月までに収束するということはあまり現実的ではないようにも感じます、、、、しかし年間2回の展示会で生計を立てている身からすると、今回の宣言は実際のところ緊急事態を通り越して限りなく「死」に近い、、、、ようにも思えます。

なので、ちょっと近日中にSNS上で通販的な感じ?のアイテム写真に値段を晒して「気になった方メールください」的な感じの営業活動をしようと思っています。。。

今回のブログでは、前回紹介のブタのコンセプト(?)というか、制作動機みたいなところをお話しいたします。(たぶんブタは↑の通販には出さないと思います)(でも、アンコールがあったら背に腹は代えられないので何でもやります)というぐらい追い詰まってます。

で、ブタのコンセプトなのですが、丁度年末に東博にウサギをスケッチしに行った時に明治時代の自在置物をチラッと本館で見たときに何とも言えないニヒリズムを感じたことに端を発してます。
たぶん、一方的な見解なのですが、工芸という江戸時代には当たり前のように存在していた極めて概念的な手仕事が「明治時代」という近世に飲み込まれて今までの概念が変質化して別なものに変わっていく過程だったのだろうと思いました。

もうちょっと嚙み砕くと、西洋の「芸術」の概念や「クラフト」的なものづくりの概念が日本に入って来て江戸以前から脈々と続いてきた工芸的概念が揺らぎ、やがて到達するコンペティション向けの曲芸的な工芸品を目指す、その前夜の作品なのでしょうが、「どうしていいか分かんないよ」的な諦念にも似た気持ちと江戸以前から続く耽美主義的な工芸概念の両方が未消化のまま露骨に反映され、ゴリゴリのニヒリズムが全面的に表出し、何とも言えないパンクバンド感がとても魅力的でした。
したがって、自分もそういったゴリゴリのニヒリズムがやりたくて、、、、、ブタを作った訳です。(三島由紀夫もゴリゴリのニヒリズムを「豊饒の海」とかでやってる)

なので、ジョージオーウェルのオマージュっていうのも、車輪を付けて玩具にしつらえたのも、共にゴリゴリのニヒリズムをやりたくて、そうしなければならない理由がちゃんとあるのです(玩具は大人にとっては無用の存在なのだが、かつては皆子供だったわけで、ちょっとエモさも兼ね備えたニヒリズムな訳です)


端的に言えばちょっとエモいゴリゴリのニヒリズムというのがこの作品の中核、、、なのだろうと思います。。






ゴリゴリのニヒリズムを、

ゴリゴリのニヒリズムを、やりたくて、、、、、

コロナに、、、

コロナにやられたニヒリズム。



という感じです。

明後日くらいからSNS上のゴリゴリのニヒリズム通販営業活動を考えております。

どうぞよろしくお願いいたします。

2020年3月22日日曜日

動物農場

今回の展示会用アイテム


唐突なのですが、展示会の告知のブログ、、、です。


今回の展示会は色々と準備(制作等)が大変でブログが更新できませんでした。
というのも、以前からかなりコンセプトを煮詰めた展示会をしたくて、思考時間というか、そういったアイデアを具体的にどのように創作物に反映させるか、ということを考えてグダグダしていました、、、、ですが漸く作品が出来上がってきたので、少し紹介出来れば、、、と思います。


 今回の展示会は凄くざっくり説明すると、ジョージオーウェルの「動物農場」のオマージュで、ブタの置き物を展示販売する、、、ということなのですが、この「ブタ」というところがちょっとミソで、工芸品の根幹である「実用性」や「用途」といったいわゆる道具が本来果たすべき役割の部分を敢えて曲解し家畜になぞらえてみました。

もうちょっと説明すると、「実用」とは消費という切って離せない重要な結末を孕んでいて、そういった消費という結末に向かって使い古されてゆく、、、という「消費性」みたいな部分を人間の家畜である「ブタ」になぞらえてみた、、、、という感じです。

なので、自ずと消費されない工芸品というわけで、そうすると「それって、アートじゃないか?」みたいな感じになるのですが、きっぱりそこは違くて、アートのように一回性や、衝動性みたいなものは内蔵されない実用性が全く無い工芸品を目指しました。

4月27日~5月3日
〒104-0061
東京都中央区銀座6-4-13
銀座YAMAZAKIビル2F
ノーション←前回の展示会のブログです(地図)。

どうぞよろしくお願いいたします。

ちくま文庫版「動物農場」

漫画もアマゾンで売っていたので、買ってみた中古品(450円)。

前回紹介した横川のウサギ。もう少しで完成。




ブーンブーンと。


ブタ途中経過。裏面の作り込み。


DMも出来上がりました。


と、いう感じです。
使えるアイテムも随時紹介いたします。どうぞよろしくお願いいたします。