2016年4月8日金曜日

相田啓介:人工知能

囲碁、は、かつて呪術的側面もあり、大古の人々は積み上げ式囲碁で占いもしていた。

 世界の囲碁トッププロ、韓国のイ・セドル氏が人工知能・コンピュータを相手に一対四で敗れ何かと世界中の話題になっています。

囲碁の着手の流れは無限に近いものであり、その中でプロの囲碁棋士は何を頼りに着手を決定するのでしょうか。それは、経験と読みと芸術的直感によるものと思われます。
プロの読みとはどれほどのものなのでしょうか。まず、初心者に近いアマチュアの場合、こういく、こうくる、こういく、とまあ三手ほどの読みです。アマチュアの高段者の場合は20~30手ほどを、時間をかれば読めるようです。精度はあまり高くありません。アマチュア全国大会常連クラスともなればその数倍をある程度速い時間内に正確に読む事が出来ます。プロともなれば次元が違います。その、数倍、数十倍あるいは数百倍の然も正確な読みかと思われます。

トッププロともなれば読む先の出来上がり図が次々と頭の中に浮かぶとも云われています。
読みの道筋には枝分かれの道が次々と現れ短い時間の間にそれを全て読み切る訳にはゆきません。その取拾選択をするのは芸術的直感力なのです。コンピューターにはそれができないのです。
従って適当な手をやたらによみまくるしかないのです。

まず、人工知能の場合学習をさせます。3000万局以上の対局を学習させたそうです。勿論プロの碁もアマチュアの碁も含みます。そうすることで無駄な手を排除出来るようになります。そうしたうえで読むのです。やたらめったらに読みまくり、読む回数の多かったプロセスの内、次の一手を着手するのだそうです。
そしてコンピュータの中で2手に分かれて実践を繰り返していき、ひとりでに強くなるのだそうです。何せ最新のサーバーを300台~1000台組み合わせたスーパーコンピュータですから恐ろしいものです。

私が一連のこの対局の中で感動したのはイ・セドル氏という棋士が敗戦の後で見せた言動であり尽きる事の無い闘魂であり、4局目の中で乾坤一擲の勝負手であり、そしてその局に勝ったあとのすばらしい笑顔であったのです。機械に感動はあり得ないのです。

人工知能は様々な分野での活躍が期待されているそうです。近い将来多くの分野で人間に取って変わって人工知能が仕事をするようになるそうです。取って変わられた人間はどうなるのでしょうか。職を失う事になります。ちょっと想像してほしいのです。人間が必要なくなった工場、会社、都会にはほんの一握りの人間しか必要がないのです。田舎の田畑も大規模なロボットによる耕作が進み小さな農業者は生き残れません。残りの人間は死ぬか、スラムに生きるか田舎の見捨てられた地で自給自足をするか。商品を買う人も少なくなるでしょう。

人工知能を考える時、私は暗い未来しか見えてこないのです。一部の富をあやつる人にとっては素晴らしいものかもしれませんが、人類にとってはとんでもない代物としか思えないのです。

人には其々芸術的直感、感覚、感性があります。そうであるからこそイ・セドル氏は人工知能と互角に近い戦いをしたのであり私たちの感動を呼んだのです。


こうくる、こういく、こうくる、

こういく、こうくる、

こうくる、こういく、、、、、ロ、ロボットだっ、、、。

、、、と、先日の小皿少し大きめに改良してみました。