2020年4月30日木曜日

SNS通販スプーン編の前に。。。

集めている匙いろいろ。



SNS通販、4日目なのですが、通販スプーン編に移る前になぜ変な匙ばっかり作り続けているのか、、、ということを自己弁明しておこう、、、と思いました。

本音をいうと、好みのフォルムの匙を集めてゆくうちに匙集めにハマってしまった、、、という事なのですが、匙一つにしてもその歴史は長く2000年ちょっと前に古代中国の書物に「匙」もしくは「ㇶ」(共に掬い取るの意なのですが)という文字が使い記される遥か以前から匙状の道具は使われてきました。

集めているうちに気づいた事なのですが、時代が遡れば遡るほど使いにくそうな匙である、、、という事で、考古遺物の匙は大抵変な形をしています。
しかしこういった「変な匙」を毎晩桐箱から出して眺めているうちに、その鋭いシェイプや何とも言えない寸分正しい量感が古代の作り手たちの目指した目に見えない部分のフォルム、内から隆起するような形(うまく言語化でできません)に憧れるようになってしまいました。。。

だからといって、使いにくいという事とフォルムが美しいという事は話が違うじゃないか!、「民藝」のように使いやすく美しい道具だってあるじゃないか!、、、という事になりそうなのですが、実はそこが見誤る最大のポイントだと思っていて、自分の場合、制作時に次の一刳りをどうするか、、、という時に必ず美しくなる為の一刳りという動作を大事にしていて、使いやすさや淡々とした制作動作は邪念のように思えてならないのです。。
だからといって使いにくい匙が良い物だ、、、とは言いにくいのですが、そうやって古い物を見るうちに、創作意欲のベクトルが定まっていった結果が今の匙作りなのですが、、、ちょっとこういう制作態度も良し悪しなのかもしれません。

何だか、こうやって書いているうちにちょっとエゴが過ぎたような気がします。



とにかく、現状は古道具を集めているうちにモヤモヤして来てそういったモヤモヤの捌け口として制作しています。
という感じ、、、、です。

SNS通販どうぞよろしくお願いいたします。





古い匙は全部変な形をしている。

悉く利便性に乏しい形の匙。

ザァーッとかたずけて、

SNS通販に出す自作の匙を並べてみる。

並べてみる。

並べてみる。

2020年4月24日金曜日

4月27日~5月3日の展示会中止及び延期について。

今回出すはずだった展示会用アイテム。


4月27日~5月3日の展示会は昨今の状況を考えて中止、、、となりました。現時点では6月24日から1週間のスパンで、延期(場所は変わらず)という感じなのですが実際のところ現状が6月までに収束するということはあまり現実的ではないようにも感じます、、、、しかし年間2回の展示会で生計を立てている身からすると、今回の宣言は実際のところ緊急事態を通り越して限りなく「死」に近い、、、、ようにも思えます。

なので、ちょっと近日中にSNS上で通販的な感じ?のアイテム写真に値段を晒して「気になった方メールください」的な感じの営業活動をしようと思っています。。。

今回のブログでは、前回紹介のブタのコンセプト(?)というか、制作動機みたいなところをお話しいたします。(たぶんブタは↑の通販には出さないと思います)(でも、アンコールがあったら背に腹は代えられないので何でもやります)というぐらい追い詰まってます。

で、ブタのコンセプトなのですが、丁度年末に東博にウサギをスケッチしに行った時に明治時代の自在置物をチラッと本館で見たときに何とも言えないニヒリズムを感じたことに端を発してます。
たぶん、一方的な見解なのですが、工芸という江戸時代には当たり前のように存在していた極めて概念的な手仕事が「明治時代」という近世に飲み込まれて今までの概念が変質化して別なものに変わっていく過程だったのだろうと思いました。

もうちょっと嚙み砕くと、西洋の「芸術」の概念や「クラフト」的なものづくりの概念が日本に入って来て江戸以前から脈々と続いてきた工芸的概念が揺らぎ、やがて到達するコンペティション向けの曲芸的な工芸品を目指す、その前夜の作品なのでしょうが、「どうしていいか分かんないよ」的な諦念にも似た気持ちと江戸以前から続く耽美主義的な工芸概念の両方が未消化のまま露骨に反映され、ゴリゴリのニヒリズムが全面的に表出し、何とも言えないパンクバンド感がとても魅力的でした。
したがって、自分もそういったゴリゴリのニヒリズムがやりたくて、、、、、ブタを作った訳です。(三島由紀夫もゴリゴリのニヒリズムを「豊饒の海」とかでやってる)

なので、ジョージオーウェルのオマージュっていうのも、車輪を付けて玩具にしつらえたのも、共にゴリゴリのニヒリズムをやりたくて、そうしなければならない理由がちゃんとあるのです(玩具は大人にとっては無用の存在なのだが、かつては皆子供だったわけで、ちょっとエモさも兼ね備えたニヒリズムな訳です)


端的に言えばちょっとエモいゴリゴリのニヒリズムというのがこの作品の中核、、、なのだろうと思います。。






ゴリゴリのニヒリズムを、

ゴリゴリのニヒリズムを、やりたくて、、、、、

コロナに、、、

コロナにやられたニヒリズム。



という感じです。

明後日くらいからSNS上のゴリゴリのニヒリズム通販営業活動を考えております。

どうぞよろしくお願いいたします。

2020年3月22日日曜日

動物農場

今回の展示会用アイテム


唐突なのですが、展示会の告知のブログ、、、です。


今回の展示会は色々と準備(制作等)が大変でブログが更新できませんでした。
というのも、以前からかなりコンセプトを煮詰めた展示会をしたくて、思考時間というか、そういったアイデアを具体的にどのように創作物に反映させるか、ということを考えてグダグダしていました、、、、ですが漸く作品が出来上がってきたので、少し紹介出来れば、、、と思います。


 今回の展示会は凄くざっくり説明すると、ジョージオーウェルの「動物農場」のオマージュで、ブタの置き物を展示販売する、、、ということなのですが、この「ブタ」というところがちょっとミソで、工芸品の根幹である「実用性」や「用途」といったいわゆる道具が本来果たすべき役割の部分を敢えて曲解し家畜になぞらえてみました。

もうちょっと説明すると、「実用」とは消費という切って離せない重要な結末を孕んでいて、そういった消費という結末に向かって使い古されてゆく、、、という「消費性」みたいな部分を人間の家畜である「ブタ」になぞらえてみた、、、、という感じです。

なので、自ずと消費されない工芸品というわけで、そうすると「それって、アートじゃないか?」みたいな感じになるのですが、きっぱりそこは違くて、アートのように一回性や、衝動性みたいなものは内蔵されない実用性が全く無い工芸品を目指しました。

4月27日~5月3日
〒104-0061
東京都中央区銀座6-4-13
銀座YAMAZAKIビル2F
ノーション←前回の展示会のブログです(地図)。

どうぞよろしくお願いいたします。

ちくま文庫版「動物農場」

漫画もアマゾンで売っていたので、買ってみた中古品(450円)。

前回紹介した横川のウサギ。もう少しで完成。




ブーンブーンと。


ブタ途中経過。裏面の作り込み。


DMも出来上がりました。


と、いう感じです。
使えるアイテムも随時紹介いたします。どうぞよろしくお願いいたします。

2019年12月27日金曜日

メリークリスました。

自作の動物。



久しぶりのブログの投稿です。

もう、誰も見てないかも的な感じなのですが、展示会に来ていただいた皆様大変ありがとうございました。何とか年を越す事ができそうです。
それと、先週のデッサンウイークの報告です。
というのも↑の動物の玩具を展示会が終わってから集中して制作していました(制作動機については後日改めて) ですが、どうしても何だか思ったように形をまとめる事ができなくて、横河コレクションのウサギ↓をデッサンしにトーハク(東洋館)まで行ってきた、、、、という報告?です。

横河民輔のウサギ↓は、中国唐時代7~8世紀の明器の中でも優れた名品で、動物塑造で困ったらとりあえず描いとけ的な感じの彫刻か、、、と個人的には思っていて以前から時間を見つけて観察がてら描いておかねば、、、と思っていました。



奥からウサギ、イヌ、イノシシの順番に並べられた横川コレクション。

ウサギ業界№1か。

フォルム超きれい。

正面


後ろ姿。


実際にスケッチして分かった事は意外と細かい作り込みよりも全体感を優先している、ということ。
ほっくらした肉付きや愛らしい印象をリアリティをなげうって表現していて何ならウサギに見えなくたっていいや的な感じで作られているのでした。
おそらくは、、、というか、個人的な妄想なのですが明器(死後の生活に困らない様にと墓に入れるモノ)なので、そういったイメージの方が大切だったのかもしれません。
声高に言いたいのは後ろ姿の何か言いたげな何とも言えない雰囲気が素晴らしく、造形的に死角が無いデッサンの題材には好都合な彫刻でした。
実際に描いてみないとわからない量感だし、もっとゆっくりデッサンできたらいいな、、、と思いました(午後になると東洋館といえどお客さんが増えるのでざわざわして描けない)。

イノシシ。

イヌ、


スケッチは鉛筆のみOK。







という感じです。
動物の塑造については後日改めて、、、。

2019年11月2日土曜日

おざっす直前っす。

今回のDM画像。



今日は展示会直前の最終報告的な感じになります。
毎年恒例の展示会なのですが、今年は「酒の器」というコンセプト(というにはザックリし過ぎか)で制作して来ました。画像の一連の透かし彫りの入った器は毎日使うにはちょっと難しいかもしれませんが、お酒を飲んでいる時にテーブルに透かし彫りの影が映ったら良いだろう、、、、というちょっとエモい初期衝動を煮詰めていってフォルムを出しました。
なかなか器の高さのだったり彫りの量が難しく綺麗に影を作れているかどうか微妙なのですが、まあまあ及第点か、、、、と自分では思っています。



立ててみた。

影がちょっと微妙かも、、、光の具合か、、、

自作飾り台

今回のスプーンは普通な感じ、、を心掛けた。





11月12日~18日
日本橋高島屋 本館7階

です。どうぞよろしくお願いいたします。

2019年10月24日木曜日

あざっす。おざっす。こんにっちゃす。

酒器いろいろ。



前回、唐突に展示会のお知らせをしました。が、実は今年はもう一つ催事を予定に組んでいて、一昨日その催事用のフライヤーが届きブログのビジュアルが補完されたのでご報告を、、、、と思います。

催事の内容としては44人のグループ展なのですが、ここで注意したいのはこの人数にもなるときっと「AKB」とか「けやき坂」とかそういったアイドル的な(と言っても、この「もけやき坂」はケヤキという漆と相性の良い自然の材料がネーミングに刻み込まれていて実はなにがしかの工芸的なアプローチを示唆しているという事実が読み取れ、このメタファーはアイドルという表層的な象徴とケヤキという工芸的断片がある種の相互関係築きつつも、ある一定の距離感を保ちながらぼんやりと存在し、その曖昧さ故に存在感の不在化という恰も実存主義的な難解な意味を形成し、尚且つ抽象的な、、、、、)というか、文字数がそろそろ稼げてきたので、催事の内容を簡単に説明すると、

1、44人展で規模がめちゃくちゃでかいこと。
2、44人が全員が漆芸作家であること。
3、阪急うめだ、という集客力のある場所でやるということ。

この3つのことを鑑みると絶対にとりこぼせない催事で実は11月5日から、という東京の毎年恒例の展示会と時期的にちょっと被るにもかかわらず今年は二手に分かれず両方を取りに行く、、、という二兎を追うかなり危険な作戦を念頭に制作して来ました。

昨日くらいから「二兎追い作戦」の中枢アイテムとなる「酒の器」が室から出せる状況なので、少し紹介します。





「二兎追い作戦」の中枢中の中枢「二兎追い片口」と「二兎追い杯」。

ネーミングは置いといて木盃も片口もケヤキ制。

ちょっと作成の説明をすると、今年はかなり良い欅材が手に入れることができたので、実は前々から挑戦しては挫折を繰り返してきた欅の手繰りの器を作ってみました。

さすがにに挫折を何回も繰り返すとゴールへの陥穽が自ずと見えてくるようで、足掛け10年近くかけて漸く自分で納得できるレベルのものが作れたような気がします(ちょっと過剰なセールストークになってしまいましたすいません。)

とは言え材料に助けられている部分も沢山あって、この良材だから見れる、、、という感じかもしれません。


ガサっと出してみる、、、、

一昨日送られてきたチラシ。



展示会 漆山脈
9階阪急うめだギャラリー・アートステージ
11月6日~11日まで。6日から9日まで在廊いたします。

という感じです。関西方面の方はどうぞよろしくお願いいたします。